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ウーパールーパーの感想文

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現代の就職問題 「何者/朝井リョウ」から考える

社会

何者では、就職という制度の疑問を抱きながらも、就活を進めていく登場人物が描かれている。

 

現在、日本で行われている「新卒一括採用制度」。

 この制度は、卒業した生徒を大量に雇用し、時間をかけて人材を育てていくことが特徴だ。

育てるということが、現代社会では非常に難しい。

 

 

縮小していく経済に対して、技術の発展は著しく速い。

グローバル化の進んだこの現代では、人材を育てるということにあまり時間を割くことができない。

国際競争に勝っていくためには、高い個人のスキルが必要不可欠である。

国際競争力を失うことは、会社としての終わりを意味する。

もう少し前の世代であれば、日本の経済は上向きであり、仕事も増え続けていた。

十二分にチャンスが与えられて、成功も失敗も多く経験でき、スキルが上昇する機会に恵まれていた。

会社にとって人材を育成できる余裕があった。

しかし、夢も希望もない現代。

スキルも経験も持たない若年層は成果を出せない。

結果、会社からのプレッシャーに心をすり減らしていく。

「最近の若者は」というお決まりのセリフで一蹴されてしまう。

こういった状況をわかっていない人間が多いことも一つの問題である。

 

結果的に、人材を育てることが現実的に難しくなってきているにもかかわらず、新卒を大量に雇用しなければならない。

人材を育てることができない会社に入り、自分のスキル、収入が伸びず、転職を考えるも、この「新卒一括採用制度」の弊害で、条件のいい再就職先はあまりに少ない。(非常に優れた能力を持っている人間は別だが・・・)

このようにスキルを持っていない若者にとっては、あまりに過酷な時代に突入している。

 

ちなみに、「最近の若者は」の特徴として、上司との付き合いが悪い。

当然のことである。

若年層なりの苦悩を何一つ理解できていない上司と仕事上のコミュニケーションとは言え、飲みに行くなんて苦痛以外の何ものでもない。

 

話はそれたが、面接というシステムも重大な欠陥がある。

まだ何にもなれていない自分をどのように売り込んでいけばいいのか。

何者にもなっていない自分を評価されて、人生を左右される。

「何者」にも取り上げられていたが、面接が苦手な人間は社会的に価値がないのか。

現在の就職システムでは、面接、もっと多くの意味を含めると就活が下手な人間には、社会的価値がないと評価される。

就活生の自殺率の上昇も仕方ないと思えてくる。

 

「新卒一括採用制度」は時代遅れの制度だとはっきり分かる。

ちなみに、この制度を採用しているのは日本だけだという。

 

 

海外の就活事情に目を向けてみる。

海外には新卒という概念がない。

新卒がないため、即戦力の人材を雇う。

即戦力の人材になるため、日本の大半の大学生とは違い、必死に勉強をする。

企業が長期のインターンシップを積極的に行い、実践的な経験を積ましてくれるようだ。

そこで自分の実力、人間性を発揮して内定を得る。

格差が激しくなる一方、日本以上に平等な就職活動が行えるだろう。

 

また、高校、大学を卒業後に休憩する期間を与えてくれる国もある。

そこでやりたいことを考えたりと、「自分探し」をしっかりとさせてくれるみたいだ。

 

 

もうすでに日本の就職システムを続けていくことは難しい。

時代の被害者を一人でも多く減らしてほしいと願う。

 

 

何者 (新潮文庫)

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何者

何者

 

 

この本の感想

axolotl1990.hatenablog.com

「何者」をより深く考える

axolotl1990.hatenablog.com

 

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