読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ウーパールーパーの感想文

エンターテイメントを考えてみる

スポンサーリンク


武道館 朝井リョウ  アイドルは何を選び、何を捨てるのか 感想

正しい「選択」とは?

ほんとうにほんとうのことって?

 

 

 

あらすじ(Amazonより引用)

 

【正しい選択】なんて、この世にない。

結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。

独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。

しかし、注目が集まるにしたがって、望まない種類の視線も彼女たちに向けられる。

「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」

「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」

恋愛禁止、スルースキル、炎上、特典商法、握手会、卒業……

発生し、あっという間に市民権を得たアイドルを取り巻く言葉たち。

それらを突き詰めるうちに見えてくるものとは――。

「現代のアイドル」を見つめつづけてきた著者が、満を持して放つ傑作長編!

 

 

感想

 

自分は一体、何を選んで生きてきたのだろう。

何を選んで、何を捨てたのか。

久しぶりにこんなことを考えた。

 

この本の主人公はアイドルグループの一人。

アイドルと言えば良くも悪くも注目されてしまうもの。

CDを握手券付きで売れば、非難の声を上げる人もいる。

スキャンダルがあれば、瞬く間に炎上する。

これって考えれば不思議なことだ。

 

アイドルにとっての夢ってなんなんだろう。

アイドルになってしまったことで、夢を叶えた人もいるだろう。

アイドルから女優などへの転身を狙う人もいるだろう。

アイドルとして、武道館に立ちたいという人もいるだろう。

最後に述べた武道館に立ちたいアイドルにとって、握手をして夢が近づくのであれば、それは立派な努力だ。

夢を叶えるための努力を世間が批判することって珍しいことだ。

例えば、甲子園に出たい高校球児の努力を非難する人ってまずいないと思う。

誰も人を陥れない努力。

これを批判されるって、アイドルという存在は非常に不思議なものだと思い知らされた。

 

スキャンダルもそうだ。

本当に惹かれあう二人が、もし恋愛関係になって何が悪いのだろう。(公約として恋人はいない、作らないを決めている人は除く)

これって応援すべきことで、幸せを願うべきことである。

先ほどの握手券商法はファンは納得できるのであろうが、スキャンダルは決して許さない。

これもまたアイドルという存在を不思議にさせる。

 

愛した相手との将来、アイドルとしての夢。

これって両立が難しい夢。

どちらを選択したって、どちらが正しいことなのか分からない。

そもそも正しい選択って本当に正しいのか。

正しい選択なんてなくて、正しかった選択がある。

選ばれなかった選択。

これも正しかったのかもしれない選択。

全ては両立しない選択。

夢と現実。

この苦悩に悩まされる主人公たちのリアルな心理描写には驚かされた。

決して両立していない自分の胸に突き刺さる。

 

 

また、インターネットが発達し、いろんなコンテンツが無料で見られる現在にも警鐘を鳴らしている。

お金を払うということには、小さな責任がつきまとう。

コンビニで買い物する時だって、自分で選択して買ったという責任がある。

無料で得られるものって自分にあわなければ、後悔や反省なく、すぐに捨てれる。

無料で得られるもので自分にあっていれば、そばに置いておく。

無料で得られているものの中で、一番好きなものって選べるのか。

自分は選べない。

そして、しばらく利用しなかったものは捨てていく。

その繰り返しで、選ぶことすら下手になってきてるんだなと実感した。

お金を払うことの意義の一つに、何が自分は好きなのかを発見することもあるのだと新しい一面を見つけられた。

 

 

「武道館」は、時事ネタ、アイドルネタ満載で非常に面白い。

文字にすると有吉は、「1度干された後、毒舌キャラで復活した男性タレント」。

社会批判だったり、心に突き刺さるメッセージ性の強い作風だが、こんなユーモアもある。

これだから、朝井リョウさんの小説はやめられない。

 

 

名言

 

限りあるものから何かを選び取るということは、自分がどんな人間なのかという気付きに、繋がる。

 

生まれる前から決められていたことが、ほんとうにほうとうなのか、知りたい。

 

いつだって言いたいことは、こんなに広い世界の隅っこでしか言えない。

 

 

武道館

武道館

 

 

武道館 (文春e-book)

武道館 (文春e-book)

 

 

より深く

 

axolotl1990.hatenablog.com

 

axolotl1990.hatenablog.com

 

axolotl1990.hatenablog.com

 

 

こちらもどうぞ

 

axolotl1990.hatenablog.com


スポンサーリンク