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ウーパールーパーの感想文

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向日葵の咲かない夏 道尾秀介 どす黒い心の闇 感想

小説

・ラストに隠された真実とは

・嫌な気持ちになりたければ読め!

 

 

あらすじ(Amazonより引用)

 

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

 

 

感想

 

これはミステリーなのか?

それとも悪意の塊なのか?

そんな気持ちにされた。

 

小説としては素晴らしい。

華麗な叙情トリック。

隠された真実。

はやく結末が知りたい。

心からそう思わせてくれるこの作品は、小説としてよくできているのだろう。

 

ただ、登場人物の全てが嫌な人間ばかりだ。

暗いクラスメイト。

息子を嘘つき呼ばわりする母親。

決して息子をかばわない父親。

異常な性癖をもつ担任教師。

動物虐待をする老人。

そして、自分の世界だけで生きている主人公。

ろくな人間がただ一人いない。

 

そんな登場人物たちが生み出すストーリーもまた陰鬱だ。

自殺したクラスメイト。

しかしクラスメイトは蜘蛛に生まれ変わり、自殺でなく殺されたと主張し、主人公に犯人捜しを依頼する。

そこから、異常な性癖を持つ担任教師を疑う。

未発達な少年に興味を持つ教師。

担任教師の部屋を探ると、いろいろな画像が、、、

気持ち悪い。

 

そして、警察から事情聴取を受ける主人公を嘘つき呼ばわりする母親。

息子の言うことを何一つ信じない母親に、虚しさを感じる。

ヒステリックで感情的な母親の肩をもつ父親。

異常な親子関係を生々しく描かれていて、非常に気分を悪くさせられる。

 

幼い日のトラウマを持ち続け、動物を殺す老人。

何の悪意もない動物を殺す老人の恐怖から逃れようとする姿。

これもまた、滑稽で気持ちが悪い。

 

何よりも気持ちが悪いのは、妄想の世界で生きる主人公。

動物や虫と会話をすることで、自分を保っている。

その妄想の世界を守るためには、平気で周りの人間を傷つけいていく。

全て、自分の責任で起きたことを、けして自分のせいにはしない。

真実を妄想から生み出してでも、自分を守り続ける。

 

しかしながら、ラストが素晴らしい。

丁寧な伏線の回収と叙情トリック。

まさかの結末に笑いがでるほどだ。

見事に道尾秀介に騙された。

 

読んで気持ちのいい作品ではない。

おすすめはしない。

ただ、感情の葛藤や真実にたどり着こうとする主人公。

そして、タイトルの意味とは、、、

 

嫌な気持ちになりたい方、どんでん返しが好きな方は是非、一読を。

後悔はしない。

 

 

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