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ウーパールーパーの感想文

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もういちど生まれる 朝井リョウ 感想 自分と向き合い、苦しむ

心の葛藤をリアルに表現

甘酸っぱくも苦々しい心

 

 

あらすじ(Amazonより引用)

 

彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遙。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。

 

 

感想

 

この作品は、大きな事件もなく、恋愛だらけでもない。

ただ、大人にも子どもにもなれない人間たちの短編集である。

大学生の華やかな毎日にある、黒い感情を綺麗に表現している。

 

自分を「特別」でないと感じたのはいつだろう?

ある日、急に世界が現実味を帯びた記憶をぼんやり覚えている。

その日から、急に自分に自信がなくなった。

なにも変わっていないはずなのに、何もかも上手くいかない。

将来、恋愛、友情。

何をどうすればいいのか全く分からない。

自分より他人の幸せを願うも諦めきれない。

心の中はドロドロなのに、求める現実は、いつだって華やかで煌びやかなもの。

それでも、もがいて苦しんで答えを出していく。

そんな心の葛藤の表現が本当に美しい。

そして、切なすぎて心を打たれる。

 

夢を追いかけることは、絶対に間違いでない。

夢が叶う、叶わないに関係なく、美しく、そして切ない。

青春なんてもう終わったのに、懐かしい感情を思い出させてくれる。

 

また、自分でも気づかないような汚い感情も丁寧に描かれている。

自分の中の汚くて、弱い部分が徹底的にあぶりだされる様な感覚だ。

そんな感情に目を向けさせられて、心が痛い。

 

微妙で繊細な感覚を、非常にうまく表現されている本作品。

苦しさと切なさと美しさを沢山味わうことができ、幸せだ。

 

 

名言

 

 ・みんなそれぞれ「一番大学生っぽい」のに、必死でそうでない振りをしている。

 

・魔法使いに見える魔法使いなんて、本当はこの世にいない。

 

・見えないくらいに根っこのほうに眠っていた思いが、急につるりと現れた。

 

もういちど生まれる (幻冬舎文庫)

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もういちど生まれる

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