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ウーパールーパーの感想文

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百円の恋 感想 カッコ悪いけれども、カッコいい

どこまでも人間臭く

痛々しいほど、心に突き刺さる

 

 

感想

 

この作品は、社会不適合であった安藤サクラ演じる一子の、変化を楽しむ作品だ。

ありきたりな物語だと思うが、安藤サクラがすさまじい。

 

序盤は、本当にダメな女の一子。

髪から顔から口から、全てが汚い。

画面越しから、悪臭が漂ってくるかのような不潔感。

希望の夢もない姿が、しゃべらなくても伝わってくる。

 

そして、前に進んでいこうと思うにも、自身の対人スキル、社会経験のなさから、なかなか前に進めない。

思いとは別の方向に動いていく。

そういった過程にある泣きじゃくるシーン。

もう、この時点で一子は別人になっている。

1人の女性として前に進もうともがく姿に、胸が打たれる。

綺麗なことだけではない社会と、1人の女性として前に進もうともがく姿が相まって、痛々ししいほど胸を打たれる。

もがいても前に進みきれない自分と重なってしまう。

 

終盤でも、彼女が何かを成しえたわけではない。

でも、必死に前を向いて、進んで、もがいて、進んできた。

ラストにもある泣きじゃくるシーンは、一人の女性、いや人間として美しい。

 

安藤サクラの圧倒的な演技力というか女優力。

1つの作品の中で、ここまで変われる人間はなかなかいない。

 

また、作中にでてくる薄っぺらい人間たちが、この安藤サクラの変化をより引き立てている。

夢をあきらめた男や、コンビニで一緒に働く男たちがみんな薄っぺらい。

 

安藤サクラ演じる一子は自分を「百円の価値」と言い放った。

そんな、「百円の価値」の人間たちから一子は変わった。

そして自分も、もがけば「百円の価値」から抜け出せるのかもしれない。

そんな勇気も与えてくれる安藤サクラの演技力。

本当に圧倒的だ。

 

そしてもう一つ素晴らしいのはエンディングだ。

クリープハイプの百八円の恋。

 

百八円の恋

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  • アーティスト: クリープハイプ,尾崎世界観
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2014/11/05
  • メディア: CD
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作品と見事にマッチしていて、鑑賞後の余韻がものすごいいい。

映画と音楽って、いい化学反応を起こせばこんなにも感動できるものなのかとびっくりした。

 

ストーリーは決して飛びぬけているわけではない。

ただ、役者の力で、一瞬の輝きから社会の底まで余すことなく描かれている。

そして何よりも自分まで変えてくれる。

 

痛いほど心をえぐって、強くしてくれる。

この作品には感謝している。 

 

 

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