ウーパールーパーの感想文

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透明カメレオン 道尾秀介 感想 嘘と弱さと救いの物語

真実ばかりに目を向けるな

前向きな嘘を信じていこう

 

 

あらすじ(Amazonより引用)

 

ラジオのパーソナリティの恭太郎は、冴えない容姿と“特殊”な声の持ち主。今夜も、いきつけのバー「if」で仲間たちと過ごすだけの毎日を、楽しくて面白おかしい話につくり変えてリスナーに届ける。恭太郎が「if」で不審な音を耳にしたある雨の日、びしょ濡れの美女が店に迷い込んできた。ひょんなことから彼女の企てた殺害計画に参加することになる彼らだが―。陽気な物語に隠された、優しい嘘。驚きと感動のラストが心ふるわす―。

 

 

感想

 

嘘で始まり、嘘で締めくくられるこの物語。

 

作中にはたくさんの嘘が出てくる。

身勝手な嘘、悪意のある嘘。

そして、優しい嘘、救う嘘。

これらの嘘と勘違いでストーリーは進んでいく。

 

見えるものしか見えなくなったのはいつからだろう?

見えないふりをして見ないでるのはいつからだろう?

辛い過去。

過去に縛られ苦しむ人。

そんな人を救うのは「優しい嘘の世界」。

 

ありのままを抱え込んで生きて行くことは辛い。

人生には、ほんの少しの嘘というスパイスが必要だ。

そしてほんの少しの嘘を真実に変えていけばいい。

 

誰しもが、透明なカメレオンを飼っていて、ないものをあるかのように生きている。

そして、透明なカメレオンで救われている。

もしかしたら誰かの透明なカメレオンに、自分も救われているのかもしれない。

 

弱くてもいい。

弱いことは、強くないことではない。

弱さだって認めて生きて行こう。

 

前半はコメディー色が強く、テンポよく進んでいく。

しかしラストのどんでん返しに、涙がこぼれる。

明るいところには影がある。

影に向き合うだけが、強さじゃない。 

透明カメレオンは、誰かを前向きにさせる。

 

素敵な一冊でした。

 

透明カメレオン

透明カメレオン

 

 

透明カメレオン (角川書店単行本)

透明カメレオン (角川書店単行本)

 

 

 

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